お気に召すまま

舞台の記憶が鮮やかなうちに…

『エドウィン・ドルードの謎』

やっとやっとやっと観られました!!
エドウィン・ドルードの謎!!
わたしは4/14のマチネ公演を観てきました。

笑えるミュージカルと呼ばれるにふさわしいところどころに蒔かれた笑いの種、何が起こるか観客にもキャストにも分からないドキドキドタバタ感、最高に楽しめました!!!!

このミュージカルは観客参加型のミュージカル!エンディングは288通りもあるんです!
というのも、エドウィン・ドルードの謎の原作者であるチャールズ・ディケンズが結末を書かずに生涯を終えてしまったから正規の結末というものが存在しないのです。

エドウィン・ドルードの謎、観劇して感じた魅力はたくさんありましたが、ざっくり言うと
◎舞台の二面性が面白い
◎みんなが主役

まず、舞台の二面性についてですが、このお芝居はラストのドタバタ感を不自然ない感じにするためか、終始ドタバタしてます。というか終始ふざけてます。
設定は、山口祐一郎率いるロワイヤル音楽堂がエドウィン・ドルードの謎を演じます!今日はプレビュー初日!プレビュー初日なので中断もするしチャチャいれるしふざけるけどご容赦を!!という感じです。
なので、場面としてはロワイヤル音楽堂のキャストとしての場面(オフ)と、エドウィン・ドルード内のお芝居(オン)の場面と2つあります。
舞台は中断され放題、ふざけ放題、やりたい放題なのですが、オフからオン、オンからオフの切り替えが清々しく、テンポがいい。キャストの方は皆さんミュージカル界での芸達者なので、スイッチが入った時のクオリティの高さが異常です。特に歌は美しくて聴き惚れちゃいます。
また、ふざける時は全力でふざけるので振れ幅がものすごいです。

みんなが主役というのは、もちろん、山口さんや壮一帆さんは特別で、キャストの方はしっかり各々のキャラクターも見せ場もあるんですが、アンサンブルにも役名も台詞もソロもしっかりあって、アンサンブルが全然アンサンブルじゃないんです!!
犯人と、探偵と、ラストハッピーエンドを迎えるカップルを観客が決めるんですが、主要キャストの方だけではなく、アンサンブルの方までがその候補となっていて、まさに、アンサンブルの方も主役になれる、そんな舞台でした!!
アンサンブルの方は申し訳ないんですが全然存じ上げない方だったのですが、皆さん歌も躍りもお芝居もとても上手で、そういった方々にしっかりスポットが当たるのはすごくいいなと思いました!

宝塚退団初のミュージカル出演だった壮さんは本当に素敵でチャーミングで、
平野綾ちゃんはキュートで声の使い分けが自在で、
昆さんはダンディーな愛すべき変態で、
コングさんはかわいくて味があって深みがあって、
瀬戸さんも保坂さんも本当に華やかで面白くて、
水田くんはハンサムでパリパリしてて、
アンサンブルの方もとても魅力的で、
なにより主演の山口さんはさすがの滑舌と歌声と人を引き付けるお芝居で、
わたしを魅了してくれました!!

そして、まさかの生演奏!!
マエストロと5〜6人の演奏家さんだけとは思えない重奏感が作品に花を添えてくれました。

とにかく笑える作品です。元気が出ます。
そして、一度見たら別のパターンも観たくなってリピートしてしまいたくなる作品です。
現実世界のいやなことから目を背けて、エドウィン・ドルードの世界に身を委ねてみてはいかがですか。